-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。

高校生の学習指導はもちろん、学校生活を円滑に行えるよう生徒指導、生活指導を行う事が主な仕事です。友人関係の悩みや思春期特有の相談を受ける事も多くありました。
事務仕事も多く、月に１回のお便りや行事の企画書を作成し、実際に職員や生徒を動かして行事の運営を行っていました。

-転職を考えたきっかけを教えてください。

法人の定めた勤務年数の上限に達したため、任期満了で退職となりました。
そのまま教師として他の学校へ移る事も考えましたが、生徒の進路指導をするに当たって自分自身が学校という場でしか働いたことがないのに、社会というものを語る事にとても疑問がありました。そのため一度教職を離れて、他の全く違う分野に飛び込んでみようと思いました。

-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。

退職時に、それまで密に関わって成長を見届けて来た生徒が、在校生として数人残っていたので、彼等の高校生活を卒業まで見守ってあげたかったという気持ちは、退職後もずっと心残りでした。

-転職活動はどのように行いましたか？

前職とは全く違う方向性の仕事をしてみたいと思っていたので、まず「自分が何をやりたいのか」というところから探すことを始めました。
転職エージェント（リクルート転職）の面談を受けた事で、自分のやりたい事の根本が、人のためになる事、誰かの力になりたい、というところに有る事に気付くことができました。そうした事を実現できる職業を探し、面接を受けたところ、採用をいただくことができました。

-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。

弁護士法人として名前が広く知られており、何より困っている人を助ける仕事ができるというのが魅力的でした。
人の相談に乗る事や、困りごとを引きだすことが昔から得意だったので、相談のために来所された依頼者の方から話を引きだすという業務の内容も自分自身にとても合っていると思いました。

-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。

債務整理に関する手続きの案内が主な業務です。依頼者の生活状況と債務の状況を過去から現在まで、詳しく聞き取りを行い、債務整理とはどういった手続きのなるのかという事を分かり易く説明し、理解をいただいたところで、弁護士に情報を申し送って引き継ぎを行います。
依頼が正式に決まれば、契約書の作成や、今後の手続きの説明を行います。
聞き取りした事や、申し送り事項など、約１時間の面談で聞き得た情報を、後続部署に漏れなく引継ぎできるよう報告書を作成します。
面談がない時間には、来所予約の電話がコールセンターに来るので、そちらの回線を引き取ってオペレーター業務も行っていました。

-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか？

思った以上に事務的で、契約率や効率化を求める社風だった事には驚きました。
対面での対応が多い印象でしたが、実際業務に就くと、電話でのやり取りが多く初めの頃はとても緊張して電話を取っていました。

-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか？またそれはどのように克服しましたか？

なかなか多重債務に陥っている自身の現状に目を向けられない依頼者の方も多く、不快にさせないよう、できるだけ前向きな声掛けをしながら、現実を突きつける事がとても難しかったです。
様々な依頼者の面談を通して、面談に慣れると共に、先輩の面談に同席させていただいて、やり方を盗むことで、自然と上手く対応することができるようになりました。
依頼者の方や面談希望の方との電話のやり取りが多く、それまで営業系の電話対応の経験がなかったので、最初はとても戸惑いました。回数を重ねて慣れるしかないと思い、「一日何件電話を取る！」と決めて、回数をこなして慣れる事が出来ました。

-仕事の中でやりがいを感じた（ている）部分はどこですか？

面談後に「もう絶望していたけれど、こちらでお世話になって頑張ろうって思えた。思い切って相談に来て良かった」と晴れやかな顔をされて、帰られる依頼者の方の顔を見る事が出来た時は、とてもやりがいを感じました。

-転職は成功でしたか？失敗でしたか？

成功

-なぜそのように感じましたか？

教職しか社会経験がなかったため、全く違う環境に身を置くことができて、契約率や業務のポイント制で自身の評価が決まるという経験はとても貴重でした。
法務的な知識や考え方を学ぶ事ができ、自分自身の生活にも活用できることは多くありました。

-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。

依頼者の一人一人に様々な人生があり、面談を通して話を聞いていく上でその一端を垣間見ることができるのは新鮮でしたし、私自身の教訓になった事も多々ありました。
業務一つ一つがポイント化されており、それを集計したものが毎月ランキングで発表されていたので、頑張った分だけきちんと数字になって表れていました。前月より、ポイントが伸びているとその分だけ成長した事が分り、モチベーションにもつながりました。

-この転職からどのようなことを学びましたか？

同じ働くということでも、数字や実績を追う仕事と最終地点に向かって積み重ねていく仕事では随分と性質や日々の達成感にも違いが大きい事と、それぞれの向き合う姿勢や視点の置き方があるという事が分りました。その中で、自分の性格にはどういったものが合っているのかを見極めて、職業や企業を選択する事が大切だと思いました。
弁護士事務所ということもあり、法的知識を身につけられたことは、自分の生活のためにも役だちましたし、スキルアップにも繋がりました。