「パティシエのキャリア、このままでいいの？」職場の問題と働き方の選択肢
「パティシエのキャリア、このままでいいの？」職場の問題と働き方の選択肢
この記事では、パティシエとして働くあなたが直面している職場の問題と、そこから抜け出すための具体的な方法について解説します。売上の低迷、オーナーとの対立、そして突然の部署異動…。今の状況から抜け出し、あなたが本当に望むキャリアを築くためのヒントをお届けします。
前回、パティスリーのオープニングスタッフでチーフパティシエとして務めることになった者です。オーナーとの意見の対立について相談させていただいた者です。
あれから本格的に務め始めて半年も経っておりませんが、報告の意味合いと、またご相談させていただきたく投稿させていただきました。申し訳ないです。
まず、お店の売上はやはり芳しくなく、毎日赤字が続いている状態となっております。(売上十分の一くらいの日もあります。) オーナーの機嫌は日に日に悪くなっており、自分はもうほとんど口を聞いておりません。
既存の商品が売れないため新しい商品開発を頼まれ、試作をしますが試食をお願いしても意見をいただけません。OKか、駄目なら意見をいただきたいところですが、なるべく早く売りたいのでは？と疑問に感じていたので、数日前(オーナー、私、社員予定のバイト2人同席)ミーティングを開いてもらい、そのことを伝えたところ、すぐに怒り出し、「あなたが言いづらい雰囲気を作ってるのが悪い、あなたはこれからは経理をやってもらい週5でここではない事務所に務めてもらう。当然製造の仕事はさせない」と言われました。バイトの子2人が強く反対をしてくれましたが、そのままの勢いで他の売れない理由も色々まくしたてられ、ミーティングは終わりました。
私の態度が悪かった部分もあり、反抗心のようなものも表に出てしまっていたのだろうと自業自得だとも感じましたし、色々プツっとがんばるための何かが切れてしまったようで辞めると思います。
ただ、半年勤めれば前の職からの給料と比べての差額を雇用保険で申請することができるので、それまではなんとか続けていきたいと思っています。
経理の仕事ははっきり言って将来に向けてためになるとは思いますが、今はしたくありません。半年務め続けるためには来年度の5月までは耐えたいと思っています。
パティシエとして働くことを条件として就職したのですが、労働組合か、労基かに相談してどうにか経理の仕事をすることを避けることはできないのでしょうか。(まず最初に組合かハローワークに相談？することが正しいのでしょうか。)
現状の整理と問題点の分析
まず、現状を整理しましょう。あなたはパティシエとして採用されたにも関わらず、売上不振を理由に経理への異動を命じられました。これは、あなたのキャリアプランとは大きく異なるものです。さらに、オーナーとの関係悪化、新しい商品開発に対するフィードバックの欠如など、職場環境も悪化しています。半年間は雇用保険の受給のために今の職場で働き続けたいと考えているものの、パティシエとしてのキャリアを諦めたくはないというジレンマを抱えています。
この状況を打開するためには、以下の3つのステップで考えていく必要があります。
- 現状の法的・権利的な問題の整理: 労働契約の内容、異動命令の有効性、労働組合や労働基準監督署への相談の可能性
- 職場でのコミュニケーション戦略: オーナーとの関係修復、異動命令の撤回に向けた交渉
- 今後のキャリアプランの検討: パティシエとしてのキャリア継続、転職、独立など、多様な選択肢の検討
ステップ1：法的・権利的な問題の整理
まずは、あなたの権利と、今回の異動命令が法的に問題ないのかどうかを整理しましょう。
1. 労働契約の内容確認
最初に確認すべきは、あなたと会社との間で交わされた労働契約の内容です。雇用契約書には、あなたの職種（パティシエ）や業務内容が明記されているはずです。もし、雇用契約書に「会社の都合により職種・業務内容を変更することがある」といった文言がない場合、会社はあなたの同意なしに一方的に職種を変更することはできません。もし、契約書に職種変更の可能性がある旨の記載があったとしても、経理への異動が「著しくあなたのキャリアプランを阻害する」と判断される場合は、異動命令の無効を主張できる可能性があります。
2. 異動命令の有効性
会社があなたに経理への異動を命じることは、法的には「配転」と呼ばれます。配転は、会社が経営上の必要性に基づいて行うことができますが、以下の点に注意が必要です。
- 業務上の必要性: 異動には、会社の経営上の必要性があることが求められます。売上不振が理由であれば、その根拠が明確である必要があります。
- 不当な動機: あなたを排除するための報復人事や、不当な動機に基づく異動は認められません。オーナーとの関係悪化が理由で、あなたを意図的に排除しようとしている場合は、不当な動機とみなされる可能性があります。
- 労働者の不利益: 異動によって、あなたの賃金や労働条件が著しく悪化する場合、会社はあなたの同意を得る必要があります。経理への異動によって、あなたのキャリアプランが阻害されること、パティシエとしてのスキルアップの機会が失われることは、大きな不利益と言えるでしょう。
3. 労働組合への相談
もし、あなたの会社に労働組合がある場合は、まず労働組合に相談しましょう。労働組合は、会社との交渉を通じて、あなたの権利を守るための支援をしてくれます。組合が、異動命令の撤回や、パティシエとしての業務継続を会社に要求してくれる可能性があります。
4. 労働基準監督署への相談
労働組合がない場合や、組合が十分な対応をしてくれない場合は、労働基準監督署に相談することもできます。労働基準監督署は、労働基準法違反の疑いがある場合に、会社に対して是正勧告を行うことができます。今回のケースでは、不当な異動命令や、労働契約違反の疑いがあるため、労働基準監督署に相談する価値はあります。
相談の際には、以下の情報を整理しておくとスムーズです。
- 雇用契約書
- 給与明細
- 異動命令に関する書面（もしあれば）
- オーナーとのやり取りを記録したメモやメール
- 会社の就業規則
ステップ2：職場でのコミュニケーション戦略
法的手段と並行して、職場でのコミュニケーション戦略も重要です。オーナーとの関係を改善し、異動命令の撤回を目指しましょう。
1. オーナーとの対話
まずは、オーナーとの対話の機会を設けることが重要です。感情的にならず、冷静に以下の点を伝えましょう。
- パティシエとしてのあなたの熱意: あなたがパティシエの仕事に情熱を持っており、キャリアを積みたいと考えていることを伝えます。
- 売上不振への懸念: 売上不振の原因を分析し、改善策を提案します。あなたの専門知識を活かして、商品開発や販売促進に貢献したいという意欲を示すことが重要です。
- 異動命令への懸念: 経理への異動が、あなたのキャリアプランを阻害すること、パティシエとしてのスキルアップの機会を失うことを伝えます。
- 具体的な提案: 異動を避けるために、どのような協力ができるのか、具体的な提案をします。例えば、「商品開発に集中させてほしい」「販売促進の企画をさせてほしい」など、あなたの強みを活かせる提案をしましょう。
対話の際には、相手の意見にも耳を傾け、建設的な議論を心がけましょう。一方的に自分の主張を押し通すのではなく、お互いの立場を理解し、win-winの関係を築くことが重要です。
2. 周囲の協力を得る
同僚やバイトのスタッフにも、あなたの状況を共有し、協力を求めましょう。彼らがあなたの味方となり、オーナーにあなたの意見を伝えてくれる可能性があります。また、彼らと一緒に、売上改善のためのアイデアを出し合い、オーナーに提案することもできます。
3. 記録を残す
オーナーとの対話の内容や、会社とのやり取りは、記録として残しておきましょう。メールやメモ、会話の録音など、証拠となるものを残しておくことで、万が一、法的手段を取ることになった場合に役立ちます。
ステップ3：今後のキャリアプランの検討
現状維持を目指すだけでなく、今後のキャリアプランについても、しっかりと検討しておきましょう。
1. パティシエとしてのキャリア継続
もし、今の職場でパティシエとしてのキャリアを継続したい場合は、以下の点を検討しましょう。
- 異動命令の撤回交渉: 労働組合や弁護士の協力を得ながら、異動命令の撤回を目指します。
- 職場環境の改善: オーナーとの関係改善、新しい商品開発への積極的な参加、販売促進への貢献など、積極的に行動することで、職場環境を改善します。
- スキルアップ: パティシエとしてのスキルを磨き、キャリアアップを目指します。製菓学校に通う、資格を取得する、セミナーに参加するなど、自己投資も重要です。
2. 転職
今の職場での状況が改善しない場合や、あなたの希望するキャリアプランと合わない場合は、転職も選択肢の一つです。転職活動を通じて、あなたのスキルや経験を活かせる職場を探しましょう。
- 自己分析: 自分の強み、弱み、興味、価値観を明確にします。
- 情報収集: パティシエの求人情報を集め、どのような企業やお店があるのかを調べます。
- 応募書類の作成: 履歴書、職務経歴書を作成し、あなたのスキルや経験をアピールします。
- 面接対策: 面接で、あなたの熱意や能力を効果的に伝えられるように、練習を重ねます。
転職エージェントを利用することで、あなたの希望に合った求人を紹介してもらえたり、応募書類の添削や面接対策などのサポートを受けることができます。
3. 独立・開業
将来的に、自分の店を持ちたいという夢がある場合は、独立・開業も選択肢の一つです。独立・開業には、資金、経営ノウハウ、人脈など、多くの準備が必要ですが、自分の理想とするお店を創り、自由に働くことができます。
- 事業計画の作成: どのようなお店を創りたいのか、ターゲット層、商品、価格設定、資金計画などを具体的に検討します。
- 資金調達: 自己資金、融資、クラウドファンディングなど、資金調達の方法を検討します。
- 物件探し: 理想的な物件を探し、契約します。
- 開業準備: 内装工事、厨房設備の準備、材料の調達、スタッフの採用など、開業に必要な準備を行います。
独立・開業に関するセミナーや、専門家への相談を通じて、必要な知識やノウハウを学ぶことができます。
4. 副業・兼業
今の仕事を続けながら、副業や兼業をすることもできます。副業を通じて、新しいスキルを習得したり、収入を増やしたりすることができます。また、本業とは異なる分野で経験を積むことで、視野を広げ、キャリアアップにつなげることも可能です。
副業には、以下のような選択肢があります。
- 個人での製菓販売: 自宅で作ったお菓子を、ネットショップやイベントで販売します。
- レシピ開発: 企業や個人から依頼を受け、レシピを開発します。
- 製菓教室の講師: 料理教室やカルチャースクールで、製菓の講師を務めます。
- ブログ・SNSでの情報発信: 製菓に関する情報を、ブログやSNSで発信し、収入を得ます。
副業を始める際には、本業の就業規則を確認し、副業が許可されているかを確認しましょう。
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まとめ：あなたのキャリアを切り開くために
今回のケースでは、パティシエとして働くあなたが、職場の問題に直面し、キャリアの岐路に立っています。法的・権利的な問題の整理、職場でのコミュニケーション戦略、今後のキャリアプランの検討という3つのステップを踏むことで、この状況を打開し、あなたが本当に望むキャリアを築くことができます。
まずは、自分の権利を守り、現状を正しく把握することから始めましょう。そして、オーナーとの対話を通じて、関係改善を目指しましょう。同時に、あなたのキャリアプランを具体的に検討し、転職、独立、副業など、様々な選択肢を検討しましょう。あなたのキャリアは、あなた自身の手で切り開くことができます。諦めずに、一歩ずつ進んでいきましょう。
この情報が、あなたのキャリアを切り開くための一助となれば幸いです。頑張ってください！
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